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わたしの心が消えるとき
第4章 捨てられた制服
渚は朝食を食べていた。
祖母は台所にいた。
忙しそうに動く背中を、渚は見ていた。
祖母は無口だ。いつも黙々と渚の世話をしている。
何を要求しても黙って従う。渚が何をしても叱った事がない。
保護者というより、まるで家政婦だ。
昨日も、渚が電話すると真由とほのかの制服を買って、学校に持ってきてくれた。
理由も聞かなかった。
ふと、両親の事を思った。
渚の父は11年前、母は3年前に亡くなった。しかし、その時の記憶が、全くない。死因も知らない。
昔の事は、あまり覚えていないのだ。
霧がかかったように曖昧で、無理に思い出そうとすると、頭痛がする。
今までの渚には、そんな事はどうでもよかった。
過去がなくても生きていける。
しかし…
祖母は台所にいた。
忙しそうに動く背中を、渚は見ていた。
祖母は無口だ。いつも黙々と渚の世話をしている。
何を要求しても黙って従う。渚が何をしても叱った事がない。
保護者というより、まるで家政婦だ。
昨日も、渚が電話すると真由とほのかの制服を買って、学校に持ってきてくれた。
理由も聞かなかった。
ふと、両親の事を思った。
渚の父は11年前、母は3年前に亡くなった。しかし、その時の記憶が、全くない。死因も知らない。
昔の事は、あまり覚えていないのだ。
霧がかかったように曖昧で、無理に思い出そうとすると、頭痛がする。
今までの渚には、そんな事はどうでもよかった。
過去がなくても生きていける。
しかし…