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わたしの心が消えるとき
第5章 それぞれの夜
男は、優しく指示する。
「クチュクチュと動かしてみて」

少女は、指を小刻みに動かす。
その卑猥な様子を見ながら、男は再び自らのモノをしごき始めた。
「ももちゃん、気持ちいい?」
「わ、わかりません…へ、変な…感じ…」
「お兄ちゃんは、気持ちいいよ」

見ると、男はかなり激しく動かしていた。

すごい…あんなにして…痛くないのかな…

「今度は一番気持ちいい所、触ってみようか」
「一番…?」
「クリトリスって、知ってる?」

少女の母親は、車の中で待っていた。
苛立っていた。
車内は煙草の煙で、霧がかかったようだ。
灰皿は吸い殻が溢れそうになっている。

遅い…!
もう一時間近いじゃないの?
あの男…何考えてるのかな。
料金、倍出すからビデオ撮らせて欲しいって…
まあ、いいかと思ったけど…
失敗したかな?
あの子、やられちゃった?
…まあ、その時は、もっと請求してやるけど…
大丈夫だよ、たぶん…

母親は、2階の部屋を見上げた。
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