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堕ちる…
第1章 再会
その日、洗濯物を干している時、電話が鳴りました。
夫からでした。
「急で悪いけど、駅前の榊原洋品店に行ってくれないか。注文したスーツが出来上がっているはずだから。明日からの出張に着て行きたいから、今日中に頼むよ」
私は、言われた店に行きました。
スーツを出して貰うのを待っていると、ひとりの店員が声をかけてきました。
「失礼ですが…山崎栞さんですか?」
私の旧姓を知っている、この人は…?
顔を見て驚きました。
「亮…さん?」
「久しぶり…11年ぶりかな?」
「そ…そう…ね…」
私は戸惑いました。
真一さんと結婚する時、私は亮に別れが言えずに、一方的に連絡を絶ってしまっていたのです。
亮は昔のように屈託のない笑顔で
「今度、ゆっくり話したいな。俺、水曜定休なんだ。どこかで会おうよ」
「でも…私は…」
「知ってるよ。結婚したんだろ?大丈夫だよ。話しするだけだから」
そう言って彼は、メモ用紙に携帯番号を書いて、私に握らせました。
「電話してよ。待ってるから」
家に帰った後…
私は迷っていました。
今は人妻の私が、元カレに会う?
とんでもない話しです。
でも、私は亮に対して負い目を感じていました。
彼を裏切ってしまったから…
ここは一度、きちんと謝っておくべきだ。
そう自分に言い聞かせて。私は携帯を手に取りました。
夫からでした。
「急で悪いけど、駅前の榊原洋品店に行ってくれないか。注文したスーツが出来上がっているはずだから。明日からの出張に着て行きたいから、今日中に頼むよ」
私は、言われた店に行きました。
スーツを出して貰うのを待っていると、ひとりの店員が声をかけてきました。
「失礼ですが…山崎栞さんですか?」
私の旧姓を知っている、この人は…?
顔を見て驚きました。
「亮…さん?」
「久しぶり…11年ぶりかな?」
「そ…そう…ね…」
私は戸惑いました。
真一さんと結婚する時、私は亮に別れが言えずに、一方的に連絡を絶ってしまっていたのです。
亮は昔のように屈託のない笑顔で
「今度、ゆっくり話したいな。俺、水曜定休なんだ。どこかで会おうよ」
「でも…私は…」
「知ってるよ。結婚したんだろ?大丈夫だよ。話しするだけだから」
そう言って彼は、メモ用紙に携帯番号を書いて、私に握らせました。
「電話してよ。待ってるから」
家に帰った後…
私は迷っていました。
今は人妻の私が、元カレに会う?
とんでもない話しです。
でも、私は亮に対して負い目を感じていました。
彼を裏切ってしまったから…
ここは一度、きちんと謝っておくべきだ。
そう自分に言い聞かせて。私は携帯を手に取りました。