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堕ちる…
第4章 疑惑
彼は、顔色も変えずに
「それで? 君は、僕が浮気でもしていると思ってるのか?」
「別にそんな…」
「君は、僕の仕事について知らないから、無理もないが…それは僕に対する嫌がらせだ」
「嫌がらせ…?どうして?」
「正直、僕は同期の誰よりも格段に出世が早い。そういうのは妬まれるんだ。それを親父の影響力だと、陰口を言ってる奴もいる」
「そうなの…?」
「たぶんそれも…誰かが、家庭を壊してやろうとして、女を使って電話させたんだ。そんなの気にするな」
そうでしょうか…
でも…あの声…
私には、わかります。
悩んで苦しんで…
どうにもならなくて…
勇気を奮い起こして、やっとの思いで電話した…
そんな声でした。
それに…
夫の かすかな目の動き…
動揺を隠そうとしている…
間違いありません。
夫は嘘をついています。
でも…
そうだとしても…
私には、夫を責める資格はないのです。
すでに私は、彼を裏切っています。
だけど、もう戻れません。
堕ちてしまった私は、このまま、さらに堕ちるしかないのです…
ケモノの道に…
「それで? 君は、僕が浮気でもしていると思ってるのか?」
「別にそんな…」
「君は、僕の仕事について知らないから、無理もないが…それは僕に対する嫌がらせだ」
「嫌がらせ…?どうして?」
「正直、僕は同期の誰よりも格段に出世が早い。そういうのは妬まれるんだ。それを親父の影響力だと、陰口を言ってる奴もいる」
「そうなの…?」
「たぶんそれも…誰かが、家庭を壊してやろうとして、女を使って電話させたんだ。そんなの気にするな」
そうでしょうか…
でも…あの声…
私には、わかります。
悩んで苦しんで…
どうにもならなくて…
勇気を奮い起こして、やっとの思いで電話した…
そんな声でした。
それに…
夫の かすかな目の動き…
動揺を隠そうとしている…
間違いありません。
夫は嘘をついています。
でも…
そうだとしても…
私には、夫を責める資格はないのです。
すでに私は、彼を裏切っています。
だけど、もう戻れません。
堕ちてしまった私は、このまま、さらに堕ちるしかないのです…
ケモノの道に…