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第8章 サイドストーリー✦香織視点２

　いつも静かなシステム部はバタバタしていた。スタッフたちが電話の対応に追われていた。受話器を置いたと思うと電話が立て続けに鳴った。
「里井部長、外線一番に☓☓警察からです」
　と言う、誰かの声に部長が対応した。それが、七菱銀行に出向いて立ち会うように、という電話だということはすぐに検討がついた。
　
「北山、総務に行って社用車のキー貰って来てくれ。それと、お前も……」
　と、受話器を置いた部長の声に社用車を駐車場へ回す。