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私、普通の恋愛は無理なんです
第8章 サイドストーリー✦香織視点2
「里井さん……ここ数週間で、お辞めになった職員さんはいらっしゃいませんか? お休みになっている方とか……」
ジーンズにTシャツの背の高い若い刑事さんが部長に静かに聞いた。部長の眉間から深く刻まれたシワがスウッと薄くなる。
「と言うことは、我々の……?」
「いえ、里井さん、関係者全員にお聞きしていますので、形式……形式だと思っていただければ……。ねえ、お嬢さん……えっ……ああ……北山さん、あなたはお分かりに…………なります……よね?」
と、年配の刑事さんの目が私の首に下げたネームプレートから私の顔に動いた。その疑ったような目に営業向けのあいまいな笑顔で答える。
「……人事のことはちょっと……。部長と言っても、僕らは企業のイチ社員なので……何か分かりましたら、必ずお伝えしますので……」と、珍しく深々と頭を下げる部長に「まあ、そう時間は掛かりませんよ。ガハハハ……」と年配の刑事さんが豪快に笑いながら、少し薄くなった頭をポリポリと掻いた。
ジーンズにTシャツの背の高い若い刑事さんが部長に静かに聞いた。部長の眉間から深く刻まれたシワがスウッと薄くなる。
「と言うことは、我々の……?」
「いえ、里井さん、関係者全員にお聞きしていますので、形式……形式だと思っていただければ……。ねえ、お嬢さん……えっ……ああ……北山さん、あなたはお分かりに…………なります……よね?」
と、年配の刑事さんの目が私の首に下げたネームプレートから私の顔に動いた。その疑ったような目に営業向けのあいまいな笑顔で答える。
「……人事のことはちょっと……。部長と言っても、僕らは企業のイチ社員なので……何か分かりましたら、必ずお伝えしますので……」と、珍しく深々と頭を下げる部長に「まあ、そう時間は掛かりませんよ。ガハハハ……」と年配の刑事さんが豪快に笑いながら、少し薄くなった頭をポリポリと掻いた。