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私、普通の恋愛は無理なんです
第8章 サイドストーリー✦香織視点2
 自分の部屋でクレンジングオイルを塗り込むと、絵の具が混ざるパレットのようにメイクが溶ける。少し前まで部長の唇と重なっていた私の唇にもクルクルとオイルをまぶす。にちゃにちゃという音が舌が絡み合う音に似ている。
 
 ブラジャーの上から胸の膨らみを手のひらで包んだ。妄想の中で、私の手のひらが里井部長の大きくて固い手のひらに変わってゆく。チリチリとしたこそばゆい感触が胸の膨らみから全身に広がる。
 
「部長、部長……」
 部長の大きな手のひらの感触を思い出す。膨らみの先端がツンと背伸びをするのが布越しでも分かった。ブラジャーの中に手を滑り込ませ、指で尖ったそれを摘んで転がす。また、じゅんとショーツに水分が広がるのが分かる。私の指先でショーツをたどって、その水源を探る。柔らかいそこはじっとりと恥ずかしいくらいに濡れていた。

 隣の部屋は両親の部屋だ。朝早く、こんな恥ずかしいことを……。ああ、何やってるんだろ、私……。部長が大変なときに。自己嫌悪に陥る。気分を換えようと、私は熱いシャワーを浴びた。
 
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 その日から三日経ったある日……。
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