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きっかけは?
第2章 年下の男の子🎵
「麻里絵、荷物が届く予定があるから、その後出発で大丈夫かな?」
「何時に届くの?」
「十時までには届くよ。」
「じゃあ大丈夫。」
そう、今日は実家に二人で行く予定。
ヒサオはやっぱり落ち着いてて、スーツを着こんでいる。
私も合わせてワンピースを着た。
「麻里絵、可愛い。」
「そんなことないょ。」
「モンブラン?マロンケーキみたい。」
「ケーキみたい?」
「ん~、リス?秋らしい色合いにふわふわしてて美味しそう。」
ヒサオは後ろから私を抱きすくめ、襟元についたぼんぼりのファーの一つ一つに鼻を埋め、手はベージュのニットごと私の胸を揉んでくる。
ハイウェストで切り替えられた焦げ茶のアーガイル柄のスカート部分に腰を押し付け抱きしめてくる。
「ヒサオ、、」
「ん?」
「いつ、配達くるかわからないから駄目。」
大型犬になったヒサオの手の甲をペチッと叩いて牽制した。
「ん~、じゃあギュッとしてキスだけ。」
返事をする間もなく、クルッと向かい合わせに直され、抱きしめられてキスされる。
これから実家にいくのに、私の方が緊張してるの?
そんなことを考えていたのにチュッチュと降るキスの雨に、思考力が奪われていった。
ピンポーン
ヒサオがオートロックを解除する。
ふと、何が届くのか、今さら気になった。
「そういえば、何が届くの?」
「いいの、いいの。麻里絵もおいで。」
さっと離れたヒサオは玄関に向かっている。
私も後を追いかけた。
最近はヒサオが社内販売のサンプル品を箱買いして配達がくることも増えたから、配達と聞いても驚かないけど、大抵、何が届くか事前に話している。
覚えのない配達にわくわくしながらついていくと真四角の段ボールを受け取っていた。
リビングに持ってきて箱を開ける。
現れたのはピンクと紺で出来た球体。
「あ、あのクッション。」
「そう、麻里絵が欲しそうにしてたし、俺も気に入ったから。」
「あ~、これをリビングに置いたら、益々だらだらしちゃいそう。」
「いいよ、だらだらしちゃえば。」
早速腰掛けてゆらゆら揺れて凭れかかる。
「あ~ぁ、やっぱり心地よい~。ありがとうヒサオ。優希ちゃん達ともお揃いだね。」
「ああ、でも、だらだらしないで、ご両親のところに挨拶にいかなきゃ。」