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メンタリズムな恋…
第8章 先生、帰るから待ってて
「自分を自由にすれば、またあの少女を狙うと石井は言う。そして大和君も僕に同じ事を言った。」
「同じ事をですか?」
「そう、まだ中学生だという少年が『あの男はもう一度亜子を狙う。だからあの男が死ぬまで亜子を保護して欲しい。』と僕に進言したんだ。」
教授はそのまま警察に報告した。
だけど石井は病院に入るという結果になり、私はいつもと変わらない日常へと戻る。
「教授は大和先生が何故、私を発見する事が出来たのだと思いますか?」
私の質問に教授は笑顔を向ける。
「その答えは君と大和君しか知らない。僕は大和君の鑑定の後からも大和君とは何かと連絡を取り合ってたんだ。彼は非常に優秀なメンタリストであり、とても正義感の強い子だった。それを踏まえてアメリカの大学に彼を推薦したのも僕だ。」
その先生がわざわざ日本に帰って来た。
そして教授に再び私が狙われてると言う。
「驚いたよ。海の向こうからでも事件が見えるのかと大和君に聞いたよ。」
教授の言葉に先生は悲しげに俯いたと教授が言う。
ひとまず教授は先生の助言に従い私の保護を警察に依頼する。
その担当者が片桐さん…。
「彼…、なかなかいい青年だろ?」
ニヤニヤとして教授が私に聞いて来る。
「そりゃ、いい人だと思いますよ。警察官だし…、真面目で優しい人ですから…。」
「僕はああいう青年が三好君の好みだと思ったけど違ったかな。」
冷やかすように教授が私を面白がって見る。
「好みとかじゃありません。」
「ならば大和君とは?」
その質問では一気に全身の血が沸騰して頭から湯気が立ち上る。
先生とは…。
ちょっとキスしただけだもん。
いや、あれは奪われたというべきだ。
先生は無抵抗な私をメンタリズムで縛り上げて私の気持ちを弄ぶ。