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メンタリズムな恋…
第10章 先生、デートですか?
「片桐さんは関係ないんだから…。」
いじけたようにもう1度同じ言葉を呟く私を先生が優しく抱き締める。
「なら、それでいい…。」
そう呟いて先生が目を閉じる。
私を抱えたまま小さく踞る。
何かに耐えるみたいに魔法の鳥は小さくなって眠りにつく。
その腕の中で何も出来ない魔法少女が私…。
もっと貴方の心を感じたい。
今はただ、貴方に女として愛されてるという自信が欲しかった。
『ここから出たらお前を殺す。何処に逃げようと殺してやる。いいか?言ってみろ。』
アイツは幼い私の首を締めてそう呟く。
この苦しみから逃れたくて私はアイツに服従する。
行かない…。
私はここに居るから…。
逃げたりなんかしないから…。
「亜子…。」
先生の声がする。
なのに首を締められて苦しくて踠くしか出来ない。
「亜子っ!」
目を見開く。
「アイツがっ!」
「シーッ…、大丈夫。アイツは居ない。亜子に怖い事は何も起きない…。」
「だって…、先生…。」
「大丈夫…、ゆっくりと息をして…。俺が居る。亜子には俺がついてるから…。」
幻想のアイツに負けるなと先生が私の心の勇気を奮い立たせる。
それはメンタリズム…。
幼い私はアイツのメンタリズムによって支配された。
そのアイツのメンタリズムを先生は打ち砕こうと私を先生のメンタリズムでコントロールする。
怒りにより全身に駆け巡る熱い血潮を治めるように私の顔を撫でながら先生が額にキスをする。
痛いほどに早鐘を打つ鼓動が少しづつ治まり緩やかなリズムへと変わっていく。
先生のキスが額から鼻へ、鼻から唇へとゆっくりと降りて来る。