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メンタリズムな恋…
第11章 先生、助けて…
何処にも行かないで…。
シャツを握る手が震える。
その手を先生が握り返してくれる。
「亜子と居る…。」
ふわりと腰が抱かれて先生の顔が目の前に近付く。
先生の息が鼻先に掠める。
目を閉じれば先生の唇が私の唇へと重なる。
1つになる感覚…。
お互いが1つになりたいと願うキス…。
舌と舌で絡み合い唾液が混ざり合うほどの深いキスを繰り返す。
身体が物足りないと先生に密着する。
もっと…。
貴方を知りたい…。
貴方と1つになりたい…。
淫らに腰を先生の腰に押し付ける。
先生の手が私の背中を撫でる。
「ホテルに行くか…。」
先生が呟く…。
2人だけになれる場所へ行きたい。
これが恋かなんて自信はない。
ただ貴方が欲しいと私は望む。
先生が私を連れて歩き出そうとすれば…。
~♪♪
私のバッグから着信音が鳴る。
「無視しろ…。」
一気に先生の表情が不機嫌なものへ変わる。
そうはいかないと私は着信を確認する。
鳴ってるのは先生の携帯…。
「警視庁からだよ。」
「知るか…。」
ふてくされる先生が私から視線を逸らす。
すぐに先生の携帯の着信音が収まる。
同時に今度は私の携帯が鳴り出す。
「河合教授から…。」
先生の携帯には出ないけど私の携帯が鳴るのならば私には出る権利がある。
先生はもう完全に私から背を向けてる。
そんなに怒る事ないじゃん?
ため息と共に自分の携帯に出る。
『もしもしっ!』
切羽詰まった声がする。
「片桐さん!?」
やられたとか考える。
だから出るなと言ったんだと言わんばかりの顔を先生が私に向けて来る。