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メンタリズムな恋…
第11章 先生、助けて…



大学の近くにある救急病院…。

マスコミの車が集まってる。

片桐さんが裏口へと車を回して停める。


「こちらへ…。」


スタッフオンリーと書かれた通路を抜けてエレベーターに乗り込む。

5階にあるフロアへ行き、片桐さんがある病室の前で敬礼する。

病室の前には制服を着た警察官が2人居る。

教授の警護をする警察官…。

扉が開き、私は初めて先生から離れてベッドへと歩み寄る。

ホテルの部屋のような立派な個室…。

真っ白で綺麗なベッドに点滴を受けながら眠る河合教授の姿を確認する。

顔色が悪い。

土気色で今にも死んじゃうかもと不安になる。

普段の教授なら健康に気を使う為に顔色が良く、穏やかな優しい笑顔で私を見てくれる。


「教授…。」


教授の手を握る。

いつもの温かい手がとても冷たくて、その手に私の涙が零れ落ちる。


「教授…、教授…。」


教授の手を温めようと擦り、何度も眠ったままの教授に話し掛ける。


「今は麻酔が効いてますから…、手術には成功したと病院の先生が言ってます。」


私を慰めるように片桐さんが私の肩に手を乗せて説明してくれる。


「ここに居ていい?教授の傍に居てもいい?」


子供のように教授にしがみつく。


「大丈夫ですよ。ここに居て下さい。三好さんと教授は僕達、警察が守ります。」


片桐さんの言葉に先生だけが嫌な顔をする。

今の私は先生に気遣う余裕などない。

ひたすら泣きながら教授に縋る。

お願い…。

目を覚まして…。

いつものように優しく私を叱って下さい。

教授に怒鳴られた事なんか1度もない。

教授はいつも優しく笑いながら私を叱る。


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