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メンタリズムな恋…
第11章 先生、助けて…
そんな教授が石井とは口論して怒鳴り声を上げてたと聞いた。
私のせいだ…。
自分を責める。
浮かれて身分不相応な神に恋をした。
あの人はキリスト…。
私は凡人…。
恋なんてしちゃいけない人だった。
罪を犯そうとする私を神が罰して教授に辛い思いをさせてる。
私も先生も犯罪者だ。
いつの間にか先生は病室から出て行き、残された私だけが教授に寄り添い自分を責める。
教授が私には片桐さんが似合うと言ってたのに…。
お姫様は大人しく王子様に守られてるだけで良かったのだと後悔する。
魔法の鳥なんか存在しない。
なのに魔法少女を夢見て戦う道を選んだ私を神が怒ってる。
支離滅裂なメンタリズムで自分を分析する。
片桐さんに任せよう。
私は守られるだけの弱い子だから…。
メンタリストなんかになれなくても構わない。
教授の助手をするだけの地味な女で満足だ。
だから…。
お願い…。
教授を助けて…。
神に祈る。
メンタリストは神でも万能でもないと教わったもの。
教授を助けてくれるのは本物の神だけなのよ。
役立たずなメンタリストなんか必要ない。
私はメンタリストなんかになれなくてもいい。
教授さえ助かってくれれば…。
泣きながら祈り続けるだけだった。
部屋が暗くなる。
私が握る教授の手が微かに動く。
「教授…?」
教授の手を握ったまま教授の顔を覗き込む。
教授の目が虚ろに開く。
「教授!?」
教授の唇が微かに動く。
「話さないで…、今、先生を呼びますから…。」
ナースコールをしようとした私の手を教授が強く握り締める。
「教授…?」
「……きなさい。」
教授が険しい顔をする。
「教授、痛いの?苦しいの?」
また涙が溢れ出す。
「行く…んだ。」
教授が私を叱ってる。
「教授…?」
「行き…なさい。」
力なく教授が再び目を閉じる。