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メンタリズムな恋…
第12章 先生、話が聞きたい



女性警官が困った顔をする。

実はこれで3人目のお巡りさん…。

幸之助にしがみつき離れようとしない私への対応に困ってる。

少しでも無理矢理に私を幸之助から引き離そうとすれば狂ったように私が泣き出し慌てた幸之助が私を宥めるを繰り返す。


「亜子…、聞いて…。」


幸之助が抱っこする私の背中をゆっくりと撫でるように叩いて来る。


「こーのすけ…。」

「あの人達が亜子を亜子のお父さんやお母さんの所に連れてってくれる。」

「こーのすけと行く…。」

「俺は亜子に悪い事した奴の話をしなきゃならない。」

「やっ!」


駄々を捏ねる私を幸之助が笑う。


「大丈夫…、亜子…。ゆっくりと息をして…、もう亜子は大丈夫…。亜子に怖い事は何も起きない。」


呟くように私を諭す。

これは幸之助のメンタリズム…。

メンタリストである幸之助は石井という悪魔に支配された私を解き放つ。


「この先も何か起きれば必ず俺が亜子のところに駆け付けてやる。だから亜子には怖い事なんか絶対に何も起きない。」

「こー…のす…。」

「大丈夫…、亜子は必ず俺が守る。だから亜子は何も怖くない。今はゆっくりと眠って、起きたら必ず幸せな亜子に戻ってる。怖い事なんか何も無かった時の亜子に戻るだけだよ。」

「……。」

「おやすみ、亜子…。俺が居る限り、亜子はもう何も怖がる必要なんかない。」


チュッと誓いのキスを幸之助が私の額にする。

瞼が重くてもう目が開かない。

幸之助の声だけが心の中で聞こえる。


「俺はずっと亜子と居る…。」


暖かくて優しい言葉を握り締めて私は眠る。

幸之助は私と居てくれる。

ずっと…。

ずっと…。

だから私は悪魔を忘れる事にした…。


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