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メンタリズムな恋…
第12章 先生、話が聞きたい



目が覚めた私は病院に居た。

病院なのに私にはとても幸せでご機嫌な日が続く。

いつもならご飯が食べられなくなるからと1個しか食べられないプリンをお母さんがいっぱい食べていいと言ってくれる。

いつもならお仕事があるからと1冊しか読んで貰えない絵本をお父さんがいっぱい読んでくれる。

本当に幸せしかなかった。

幼稚園のお友達がお見舞いにやって来る。

魔法少女のオマケの付いたお菓子をいっぱい貰う。

本当なら嬉しいはずなのに…。

私はもう魔法少女には興味を失ってた。

刑事さんという人から質問を受ける。


「石井という男の事を覚えてる?」

「だれ?」


私は悪魔を忘れてる。


「なら大和君という男の子の事は?」

「?」


魔法少女に興味を失った私は魔法の鳥の事も忘れてしまった。

何も覚えていない私はいつもの生活に戻る。

病院の先生はトラウマになるくらいなら忘れたままの方が良いとお母さん達に言う。


トラウマってなんだろう?

シマウマの仲間かな?


3歳の私にわかるのはその程度…。

退院して、普通に幼稚園に通い出す。

2週間ほどした頃に知らないおじさんが私に会いたいと言ってやって来る。


「僕は河合…、大学で教授をやってる。」

「きょーじゅ?」

「うん…、そう。君が三好 亜子ちゃん?」

「うんっ!」


お母さんと一緒にその教授とお話する。


「このお人形が好きだと聞いてたけど…。」


教授が魔法少女のお人形を私にくれる。

少し前の私はそのお人形を貰えると嬉しかった。

今の私はそのお人形にあまり興味を示さない。


「そっか…、他のお人形にすれば良かったね。」


教授が寂しく笑う。


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