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メンタリズムな恋…
第12章 先生、話が聞きたい
私の心に空いた穴を埋めてくれる人…。
その人に向かって私は手を伸ばす。
「こーのすけ…。」
目を開ければベッドの中で先生に腕枕をされて横たわる私が居る。
「ん?」
麗しき流し目の貴公子が優しく穏やかな目で私の顔を覗き込む。
その笑顔は神の笑顔…。
先生の顔にそっと指先で触れて質問する。
「私がこーのすけにプロポーズした?」
これは記憶の確認。
私が自分の願望だけで間違った記憶を思い描いてないかを調べ直す。
「ああ…。」
先生が私をゆっくりと抱き締める。
その温もりは記憶の中の温もりと変わらない。
ふふふと笑う。
私の魔法の鳥が居る。
嬉しくて…。
ちょっと照れ臭い。
「こーのすけ…。」
3歳の頃のように先生に甘えてしがみつく。
あの頃のように優しいだけの先生の温もりを求める。
先生が私の顔を丁寧に両手で包み込む。
次の瞬間…。
「むぎゅっ!?」
私の頬を広げるように先生の手が頬を抓る。
「何っ!?」
甘いムードが一気に飛び散る。
「18年振りに会った俺の女の第一声が『誰っ!?』って叫びなのは何故だ?」
超不機嫌な呟き…。
「仕方ないでしょ!?ボロ雑巾みたいな男があの大和 幸之助だとか言われても無理があるし。」
「しかも…、なんだ?俺は毛虫みたいに見るくせに片桐には黄色い声を出して色目を使う品のない女に成長しやがって…。」
18年分の愚痴で責められる。
「色目なんか使ってませんっ!」
「3歳の亜子はとても純粋で真っ直ぐないい子だった…。」
「変態…、ロリコン…。」
「プロポーズしたのはお前だからな?」
言い返せません。