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メンタリズムな恋…
第12章 先生、話が聞きたい



何よ…。

せっかく思い出したのに…。

そりゃ、3歳のプロポーズなんか本気じゃなかったかもしれないけどさ…。

少しくらいは甘えさせてくれてもいいじゃない?

冷たく私を責める先生に悲しくなる。


「亜子…。」


先生が私の額にキスを落とす。

それは誓いの証…。


「先生…。」

「まだ俺は先生か?なら俺は助手さんと呼んでやろうか?」

「まだ先生だよ…。だって先生にはまだやる事があるでしょ?」


私の質問に先生が眉を寄せて辛い表情を見せる。


「ここからは俺の問題だ。」


切ない瞳が私を見る。

泣きそうな先生を今度は私が抱き締める。


「一緒に行くよ。私は先生の助手だから…。」

「俺の家族の問題だぞ?」

「石井が先生の兄だから?」

「……。」


先生が言葉に詰まる。

あの時、幸之助は間違いなく


『この子を拐ったのは俺の腹違いの兄です。』


と答えてた。

つまり石井の父親が先生の父親でもある。


「話をして…。」


先生の唇に私の唇が掠める。

大丈夫だよ。

貴方には私が居る…。

私が居る限り貴方に怖い事なんか起きない。

私の未熟なメンタリズムで先生の心の傷を癒す。

私のメンタリズムに応えるように先生が私の唇を啄むようにキスをする。

そして、ゆっくりと舌でお互いの唇を湿らせる。

時々、舌と舌が触れ合う。

先生のシャツを握れば先生が私の腰を引き寄せる。

舌が絡む深いキスへと変化する。

1つになりたいと望むキスへ…。

私の身体が蕩けるキス…。

息をするのにも必死になる。

名残惜しそうに先生の唇がゆっくりと離れて私の唇の唾液を先生の指先がキュッと拭う。


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