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メンタリズムな恋…
第13章 先生、冷たいよ
先生に抱き付く。
先生の心臓の音がする。
その音は2つ…。
やがて、その音が1つになる。
私と先生がリンクする。
私は1人じゃない…。
だから私は何も怖くない。
メンタリズムで自分の恐怖をコントロールする。
「行こう…。」
私の額にキスを落とす先生が呟く。
石井を打ちのめす…。
それから先生と思いっきりイチャイチャしてやるんだから…。
鼻息を荒くして興奮する私を先生が笑う。
「何よ?」
「亜子さん、意外とエロいな。」
「エロくありませんっ!」
「俺とやる気満々のくせに?」
髪を掻き上げて美しい流し目で私を見る。
ドキドキと胸が高鳴り全身に熱い血が駆け巡る。
その顔は反則なんだからぁ…。
未だにボロ雑巾じゃないイケメンの時の幸之助には慣れる事が出来ない。
「もう、知らないっ!」
先生よりも先にペントハウスを飛び出す。
警護の人が居ない事に気付く…。
「先生?」
私を追い掛けて来た先生に聞いてみる。
「片桐の指示だな…。」
先生が何かを考え込む。
「片桐さんの?」
「まあ、いい…、行くぞ。」
先生がエレベーターに向かう。
私は先生について行く。
「先生、車は?」
「東京駅から持って来てる。」
だから2人で地下の駐車場に行く。
ペントハウス専用の駐車スペースに先生の赤い車がちゃんとある。
その車のボンネットにもたれかかった人が立つ姿が見えて来る。
「片桐…。」
先生が呟いた。
私達を待ち伏せしてたのは片桐さん…。
「片桐さん…。」
なんとなく気不味くて私だけが片桐さんから視線を逸らす。