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メンタリズムな恋…
第13章 先生、冷たいよ
「俺の女…。」
今度は先生が情けない顔をする。
「はいはい、俺の女にしたいなら、さっさと石井をやっつけに行くよ。片桐さんも一緒に来てね。」
「片桐も?」
「当然でしょ?先生はアイツをやっつける事が出来ても逮捕は出来ないんだから…。逮捕権を持ってるのは片桐さんだけよね?」
私が片桐さんの方を向けば片桐さんは爽やかな笑顔を私に向ける。
「逮捕するが僕の役目です。三好さんは必ず僕が守ります。」
片桐さんが私の手を取り、その手の甲へ口付ける。
相変わらず手際の良いお姫様扱いには慣れない私の顔が火照る。
「片桐、てめぇ…。」
「この段階で三好さんは大和さんの恋人だと断定されなかった。つまり三好さんは大和さんの支配を受けてないと判断したと上には報告します。」
警察の判断を変えてくれると片桐さんが笑う。
私のメンタリズムを片桐さんが信用してくれる。
「まだ僕にもチャンスはありますよね?」
軽くウィンクをする片桐さんの意味深な言葉にアタフタする。
モテ期!?
これがいわゆるモテ期ですか!?
宙を仰ぎ、神に聞く。
「チャンスなんかねえよ。2人とも行くつもりならさっさと車に乗れ…。」
いつもの不機嫌な先生が車を指差す。
「行き先は?」
片桐さんはもう完全に刑事の顔に戻ってる。
先生も大和 幸之助という麗しきメンタリストの顔へと変わる。
2人のイケメンに私だけがボーッとしちゃう。
「行き先は…、亜子が監禁された倉庫だ。」
先生が低く呟いた。
「あの倉庫ですか?あれはもう石井家の物じゃありません。」
「石井はまだ亜子を完全に支配してると思ってる。亜子の実家の部屋を荒らしたり大学で河合教授を攻撃したのは、ただの亜子に対する揺さぶりだ。」
先生は淡々と自分のプロファイリングを説明する。