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メンタリズムな恋…
第13章 先生、冷たいよ
「神経が図太くて悪かったわねっ!」
先生の耳を摘み上げて思いっきり叫ぶ。
「見ろ!この凶暴性を…。これが石井の支配を受けた女に見えるか?」
先生はまだ懲りずに片桐さんへ説明する。
「支配の問題はもう終わったのっ!さっさと車に乗りなさいっ!」
キレた私の掛け声で片桐さんも先生も慌てて各自の車に乗り込んだ。
フンッと鼻息を荒くして私も先生の車の助手席へと乗り込む。
「怖っ…。」
先生が呟く。
まだ言うか!?
「誰のせいよ!?」
「片桐にはそうやって本来の亜子を見せてやれよ。」
「なんで?」
「アイツ…、Mだからそういう亜子の方が嬉しいらしい。」
「はあ?」
片桐さんがMとかどうでもいい…。
「先生も河合教授も私が何も知らない方がいいと思ってたの?」
不安になる。
私だけが蚊帳の外…。
メンタリストの中で私だけが未熟だからと仲間外れにされてる気分。
「さっきも言ったが河合教授は石井の支配の影響を恐れてた。だから俺に亜子を預けたんだ。」
「私が支配を受けてた場合、私が自分の意思であの倉庫に戻るから?」
「そう、そうなれば石井が河合教授を傷付ける事件なんか起きなかった。」
私が過去の記憶を取り戻すのが早過ぎたと先生は考えてる。
そのきっかけを作ってしまったのが何も知らない片桐さんだった。
記憶を取り戻す私が受けた支配の影響がどの程度かわからない先生は私を連れて神戸に行く。
そこなら石井も警察も手が届かない。
時間稼ぎをする間に河合教授の事件が発生してしまい焦った片桐さんが私を東京へ呼び戻す。
「もう逃げ隠れする余裕も無くなった。」
運転をしながら先生が私の手を握る。