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メンタリズムな恋…
第14章 先生、気障過ぎる
ねえ…、先生…。
貴方は私を助けられない。
先生はわかってるんだよね?
この倉庫の中は石井の世界。
だから貴方は入って来ない。
私の心が石井のメンタリズムに再び支配される。
私は石井に犯される。
貴方の目の前で石井に嬲り者にされて淫らに悶える女になる。
私は石井の女…。
それは18年前に決まってた事…。
そして石井が私という玩具に飽きたら、あのイヤリングのように石井に踏み潰されて私の生命は粉々に砕けて消える。
貴方はそれを最期まで見ててくれる?
ふと笑う。
恐怖に負けた自分に笑う。
私の目から一筋の涙が零れ落ちる。
「言いたい事はそれだけか?」
こんな状況で先生が笑ってる。
笑いながら挑発する言葉を石井に投げかける。
「黙って見てろよ。今から俺がこの女を本物の女にしてやる様を…。」
石井も笑いながら先生に答える。
「悪いが待ってられないな。亜子は既に俺の女だ。その邪魔をする奴は誰だろうと許さない。」
先生が呟く。
「お前の女?まだ抱いてすらいない女が?」
石井が鼻で笑う。
「そう…、俺の女…、亜子、いつまでジャイアンに触られて悦んでるつもりだ?」
怖い表情をする先生が私を睨む。
「それとも片桐に撃たれた方がいいか?片桐もグズグズしてないで撃ってやれよ。」
先生の冷たい言葉が続く。
「し…、しかし…。」
今の状況で撃てば私に当たると片桐さんが狼狽える。
「馬鹿かお前は?撃てばいいんだよ。石井は神じゃねえんだよ。ただの人なんだから撃てば倒れる。何の為の銃だよ。アメリカじゃ遠慮なく撃つぞ。」
とぼけたように先生が言う。
何かが私の中で蠢くのを感じる。
それはお腹の底から湧き上がる。
アメリカじゃ!?
ここは日本だっつうのっ!
冷血ボロ雑巾に対する怒りに全身の血が沸騰する。