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メンタリズムな恋…
第15章 先生、恥ずかしい



不安なの…。

私は先生が好きで堪らない。

だけど先生は?

私は先生に相応しくない。

先生はカッコ良くて一流のメンタリストで第一線で活躍してる人…。

女の子なら誰もが先生に見つめられるとキュンとしてときめく事間違い無しの大人の男。

私はただの学生で半人前のメンタリスト…。

先生の傍に居られるだけで満足しちゃう子供…。

だから先生が私を子供のように背中から抱っこして先生の足の間に真っ白なシーツに包まれた私を座らせて頭を撫でて来る。

完全な子供扱い…。

3歳の時と同じように先生は私に接する。


「うぐっ…。」


鼻水を垂らして泣くしかない。


「ほら、ちーんしろ。」


先生が笑ってティッシュボックスを私の前に置く。


「ちーん…。」


もう…、これって女を捨ててるよね…。

また目頭が熱くなり涙がジワリと浮かんで来る。

先生はただクスクスと笑う。

その笑いが気に障る。


「笑わないで…。」


泣いていじける私を先生が抱き締める。


「なんで?」

「馬鹿にしてるんでしょ?可愛くない女だから…。」


私は無神経で図太い凶暴な女…。


「いや…、可愛いよ。」


ますます先生が笑う。


「笑わないでっ!」


先生が笑えば、どんどんと自分が惨めになる。


「河合教授が言ってた。亜子は自分に自信がなさ過ぎる。」

「河合教授が?」

「大学一の美女と言われる女が大学で一番地味な女をやってるってな。」


大学一の美女という褒め方は流石に大袈裟過ぎると恥ずかしくなる。

地味な女は事実。

服はベージュと白と水色の3色しか買わない。

その3色の組み合わせなら失敗しないと何かで学んだ覚えがある。

バッグや鞄は全て紺色…。

メイクは薄いパールピンクのルージュのみ…。

学生はそれで充分だと地味な女をやってる。


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