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メンタリズムな恋…
第2章 先生、事件です



『……。』


今度は電話の主が私の存在を疑い無言になる。


「そちらは警視庁の方ですよね?先生に連絡が出来なくてもいいのですか!?」


半分キレて言ってやる。


『はい、本庁の片桐と申します。そちらは大和さんの助手の…?』

「三好と言います。身元については○○大の河合教授に確認をして下さい!」

『河合教授の…、なるほど…、では事件の詳細を説明しますのでメモの用意をお願いします。』

「メモ!?」


残念だが私は運転中の身である。

ピッと再び先生が録音というボタンを押す。

話を聞く気がないくせに、こういう作業だけはやるんかい!?

ツッコミを入れたい気分だが今は警視庁の片桐さんとやらの話を聞くのが先だ。


「要件をお願いします。」


携帯に向かってそう叫ぶ。


『実は昨日(さくじつ)、静岡にて幼児行方不明の事件が発生したのです。』

「幼児行方不明?」

『はい、当該者は3歳の女の子、名は田村 奈々(なな)ちゃん。』

「はい。」

『昨日(さくじつ)の夕方に行方がわからなくなったと母親からの通報があり、24時間が経った現在、公開捜査に切り替えるという判断になりました。』


迷子の場合、すぐに見つかる可能性や事件、事故に巻き込まれた確認を必要とする為に24時間は非公開での捜査にする。

それは万が一、誘拐であった場合に犯人を刺激しない対処としても有効だからだ。

ただし、この24時間は警察はお座なりの捜索しかやらないのも事実…。

特に10代の思春期の少女などの家出に関してはよほどの状況でない限り捜索に人手を出す様な事は有り得ないと言える。

今回は3歳の幼児…。

既に24時間も経ってしまってる。


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