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メンタリズムな恋…
第16章 先生、もう探せない



私は…。

メンタリストだ。

片桐さんの戸惑いが伝わって来る。

私が片桐さんを困らせてる。

彼は嘘のない人…。

私を大切にしようとしてる。


「それじゃあ…。」


片桐さんに笑顔を向けて車から降りる。


「また、食事にでも行きましょう…。」


片桐さんも笑顔を崩さない。

片桐さんの車が去るのを見送り沙莉奈の家に入れば私を心配する沙莉奈が駆け寄って来る。


「楽しかった?」


真っ直ぐな沙莉奈が私の顔を覗き込む。


「うん…。」


少なくとも嫌な思いはしなかった。

沙莉奈に言われてお風呂を済ませパジャマに着替えて沙莉奈の部屋へ行く。


「ねえ、亜子…、今夜こそ話をしよう。」


沙莉奈が私の手を握る。


「話?」

「河合教授のバイトで何があったの?」


ベッドに入ると沙莉奈が確信を突いて来る。


「別に…、何も…。」


いつもの答えを返す。

私はメンタリスト…。

自分の感情をコントロールしながら沙莉奈と話す。

幸之助の事は誰とも話したくない。

話せば私が捨てられた事まで話す事になる。


「亜子っ!」


泣きそうになる私を沙莉奈が抱き締める。


「辛いかもしれない。でも話そうよ。親友として私は亜子を助けたいの…。」


沙莉奈の必死感だけを感じる。

そうやって人の痛みだけを感じるメンタリストに私は変わってく。

やっと幸之助が感じてた痛みの意味を理解する。

ずっと孤独なまま、この痛みを幸之助は感じて来た。

誰も幸之助の痛みはわからない。

私の痛みだって誰も理解が出来ない。


「亜子…。」


沙莉奈が私の顔を撫でる。

私の瞳から流れ落ちる涙を拭う。


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