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メンタリズムな恋…
第2章 先生、事件です



時計の確認をする。

現在は4時。

横浜に向かってたから静岡には6時前には着くだろうと私はアクセルを踏み込んだ。


「ラーメン…。」


先生が嫌そうな声を出す。


「今は横浜のラーメンよりも奈々ちゃんの生命の方が大切です。」

「……。」


メンタリストのくせに、この人に人間らしい感情は無いのかと責めたくなる。


「お願いしますから…。」


貴方があの本物のメンタリストだと信じたい。


「……。」


結局、先生は無言のまま私が運転する以上、強引に先生を連れて静岡へと向かう。

奈々ちゃんが暮らす地域は本当に何もない所だ。

見渡す限りの田園が広がり後は山しか見えない。

誘拐されたとは考えにくく、奈々ちゃんが何処かで迷子になってると考える。


「あの家ですね…。」


集落は疎らにしか家がなく、該当する家は日が暮れたのに灯りが煌々と輝き人がたくさん出入りしてる為に直ぐに見つかった。


「……。」


あれから何を話し掛けても先生は無言のまま…。

奈々ちゃんの家の前に私が車を停めると制服を着た警官から


「ここは今は路駐をしないで下さい。」


と注意を受ける。


「本庁の片桐さんに呼ばれて来たのです。」


私がそう言えば警官の目付きが変わる。


「貴方達は?」

「捜査に呼ばれたFBI捜査官の大和 幸之助とその助手の三好です。」


勝手に私が名乗る。


「失礼致しました。」


警官は敬礼しながらも疑うように車内を見る。


「向こうの畑に侵入する通路に車を停めて待ってて下さい。片桐警部を呼んで参ります。」


警官はそれだけを言うと家の中へと消えて行く。


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