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メンタリズムな恋…
第18章 先生、先生って呼んで



ひとまずラーメンを2つ注文する。

テーブルにラーメンが置かれると幸之助は片手で割り箸を握り口に咥えて箸を割る。


「割ってあげるのに…。」


私を頼ろうとはしない幸之助に悲しくなる。

やはり今も孤独なままの人なのだと見せつけられれば私の方が傷付く。


「あー…、まあ、箸くらいは…。」


自分で出来ると幸之助はモゴモゴと言い訳する。

後は無言でラーメンを食べる。

幸之助はいつものように啜る事はせずに口の中へとラーメンを押し込む。


「なんでラーメンを啜らないの?」

「……。」

「それも言いたくないんだ。」

「啜れないだけだ。」

「啜れない?」

「なんか…、下手なんだよ。啜ると汁がそこら中に飛び散って大変な事になる。」


プッ…。

思わず吹き出した。

麗しの貴公子と言われた超一流のメンタリストがラーメンを啜れない。


「笑うな。」


久しぶりに不機嫌な声がするとホッとする。


「だって…、啜れないって…。」

「だから…、笑うな。」


膨れっ面で笑うなと本気で言う幸之助が私のツボにハマってしまう。


「無理っ…、ダメ…、おかしい…。」


お腹を抱えて笑う私を幸之助が見てる。


「やっと笑ってくれたな。」


寂しそうにそう言われると私の中に罪悪感が湧く。


「やっとって…。」

「俺には泣き顔と怒った顔ばかりだったからな。片桐には簡単に笑顔を向けてたろ。」

「それは幸之助が…。」

「もう…、先生とは呼ばないんだな。」


1つづつ、幸之助が私の変化の確認をする。


「そうだよ。だから今度は幸之助が私を先生と呼んでね。」

「亜子を?」

「うん…、今の私は河合教授のカウンセラー助手って立場なの。幸之助って昔っから河合教授の患者なんだってね。」


私の言葉に幸之助の箸が止まる。

目を見開き驚きの表情を私に向ける。


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