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メンタリズムな恋…
第18章 先生、先生って呼んで



それは怯えてるようにも見える。

初めてメンタリストとしての仮面が外れたそのままの幸之助を見た。


「河合教授…、から聞いたのか?」


幸之助がそんな表情をしたのは一瞬だった。

すぐに冷静になり自分のリズムを取り戻す。

これが一流の能力…。

慎重に私の表情を伺う幸之助に悲しくなる。


「ラーメン…、冷めちゃうよ。」


今、この話で問い質しても幸之助はとぼけるだけだと私の心が感じる。

私はそれが寂しくて堪らない。

後は無言のまま2人でラーメンを食べてラーメン屋を出る。

支払いを当然のように私にさせる幸之助は変わってないなとも思う。

片桐さんは絶対に私に財布を出させない。

幸之助ってダメンズだな。

くだらない事で笑ってしまう。

ラーメン屋の暖簾を潜り商店街通りへ出る。


「降って来た…。」


雪がチラチラと降り出してる。

ラーメンで温まった身体から一気に体温が奪われる感覚がする。


「幸之助は大丈夫?」


そう聞いて幸之助の方を向けば彼が辛そうな表情で雪を睨んでる。


「昨日…、神戸に居たか?」


呟くように幸之助が聞いて来る。

やはり私の声は聞こえてた。

なのに幸之助は無視したんだ。

そう考えるだけで怒りと悲しみでおかしくなりそうだと悲しみが増すから少しでも冷静を取り戻す為に軽く頭を振る。


「幸之助も居たんでしょ?」


まだ雪を睨み続ける幸之助に質問で答えを返す。


「……。」


いつもと変わらない無言の答え…。

彼の心はそうやって閉ざされる。

私にその心を開く事はないのか?

幸之助の孤独感で私の胸に痛みが走る。

不意に雪から私に視線を変えた幸之助が右手だけを私に向かって伸ばして来る。


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