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メンタリズムな恋…
第18章 先生、先生って呼んで



幸之助も私と同じ…。

心の隙間が寂しくて自分で自分を消してしまいたい衝動と戦ってる。

心の弱い石井はその衝動に負けただけだ。


「やだっ…。」


幸之助にしがみつく。


「何が?」

「幸之助が死んじゃうとやだ…。」

「勝手に殺すな。」

「でも死んじゃうよね?幸之助はずっと心に穴が空いてる。だから平気で無茶な事をする。未だに河合教授の患者ままなのはその為なのでしょ?」

「そこまで…、わかるようになったか…。」


幸之助が寂しく笑う。

その寂しさを埋めてあげたいと願う私は私から幸之助にキスをする。

貴方と1つになりたいのだと…。

貴方に伝える為にキスを繰り返す。


「そんなに俺がいいか?」


ゆっくりと唇が離れると幸之助が呟く。


「私じゃ駄目なの?」

「辛いだけだぞ?」

「それでも幸之助が好き…。」

「お前だけを愛してる。」


もう一度、キスをする。

私の中に迷いはない。

私が幸之助にプロポーズした。

私が幸之助を欲しいと願った。

だから幸之助から感じる痛みだけは何があろうと堪える事が出来ると思う。

どんなに辛い状況になろうとも幸之助とだけはメンタリズムの繋がりを保ちたいと望みキスをする。


「脱げよ…。」


今度は幸之助が命令する。


「私が!?」

「俺…、左半身が使えない。」

「だったら大人しく寝てなさいよ。」

「ふざけんなよ。俺の女になると決めたのなら俺に従って貰うからな。」


神の子はそうやって人を支配する。

余裕たっぷりの笑顔…。

眼鏡の向こう側にある綺麗な流し目で、ずっと私を捕らえてる。

18年前…。

私は彼に捕まった。

今も私は彼の物…。


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