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メンタリズムな恋…
第2章 先生、事件です



先生にしか見つけられないのに…。

私はそう強く思い込む。

車の窓が叩かれた。

片桐さんが戻って来てる。


「車から降りて僕について来て下さい。」


スーツケースを持つ片桐さんがそう言うから先生と車を降りて片桐さんについて行く。

畑から奈々ちゃんの家の庭に回り縁側から家の中へと侵入する。

通されたのはお仏壇がある小さな和室。

他の部屋は今は奈々ちゃん搜索の為の捜査官で溢れてると片桐さんが言う。


「この部屋でこれに着替えて下さい。」


片桐さんが持ってたスーツケースを差し出して来るのに先生は受け取ろうとしない。

仕方なく私が受け取り


「これは?」


と確認の為に聞いてみる。


「それは僕の予備のスーツです。常に車に予備を積んでますから。大和さんなら痩せてるのでサイズ的には多分問題がないと思います。問題は靴だけが無いのでサンダルのままになりますが…。」


片桐さんはそう説明をして早く着替えるようにと先生を急かす。

先生の方は相変わらず無言のままで片桐さんを見ようともしない。


「とにかく早く着替えを済ませて下さい。僕は奈々ちゃんの搜索に向かいます。」

「まだ搜索が続いてるのですか?」

「この辺りは田んぼが多いので水路を中心に搜索が続いてます。一応、20時までの搜索なので後1時間半は搜索隊が出てますよ。」

「先生が着替えたら、直ぐに搜索に行きます。」


100人近い搜索隊が出てる。

私も早く参加しなければと気持ちが逸る。


「とにかく先生はこれに着替えて下さい。私は奈々ちゃんの搜索に向かいます。」


片桐さんが残していったスーツを先生の手に持たせてこの部屋を出ようとすればガシッと何かが私のシャツを掴み私が部屋から出る事が拒まれる。


「何っ!?」


私のシャツの背中を握る先生に振り返ってまだ何か用かと確認する。


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