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メンタリズムな恋…
第3章 先生、解決しました
「あんな人がFBI捜査官でメンタリスト!?信じられない!」
自分から助手だと名乗っておきながら先生を平気で裏切る言葉を吐く。
「大和さんの事ですか?彼、凄いですよね。」
片桐さんは運転をしながら穏やかに話をする。
「どこが凄いの!?」
「FBIの捜査資料を見ました。行方不明者の事件では確率的に100人中99人を発見してます。」
「そんなに!?」
あのボロ雑巾男がそんな凄い人にはとてもじゃないが見えない。
アメリカでは40秒に1人の人間が消えると言ってた事を思い出す。
それだけの行方不明者の数を探すのに99%という確率で探せる人間は大和 幸之助以外に有り得ない。
「後の1%は?」
なんとなく軽い気持ちで聞いてみる。
「誘拐犯に殺されてます。通報が余りに遅く大和さんにでも間に合わなかったパターンです。」
穏やかな表情だった片桐さんが厳しい表情に代わり唸るように低く囁いた。
殺された…。
軽く考えてた自分が馬鹿だと思う。
もしかして奈々ちゃんも!?
間に合わないから先生は捜そうとしないのか?
背筋にまた冷たいものが流れて息苦しさから私の呼吸が荒くなる。
「三好さん?大丈夫ですか?」
片桐さんが聞いても答える事すら出来ない。
車は5分も走ると田んぼの畦道に停められた。
「この水路はここから5km上流にある小川から水を引いてます。今夜はこの水路で奈々ちゃんの搜索をしますから。」
片桐さんの搜索についての説明を聞き車から降りて付近を見渡してみる。
日が暮れて本来なら暗闇になる田園地帯が警察が用意した灯りに煌々と照らされて、まるで昼間の様な明るさを保ってる。