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メンタリズムな恋…
第1章 怪しいバイトの始まり



三好 亜子…。

大学で心理学を学ぶ4年生は現在とてつもなく貧乏生活の真っ最中である。

住まいは学校指定の学生寮だから夕食と朝食には不自由はしないが親からの仕送りが0の為、ランチ代くらいは自力で稼ぐしかないという。

その為には普通にバイトをすればいいだけの事なんだけど…。

大学では尊敬する教授の助手を出来るだけやりたいと希望する私にはあまり自由になる時間がなく、短時間で割の良いバイトだと教授から紹介をして貰った家庭教師のバイトを始めたはずだった。


「なんでお払い箱?」


沙莉奈が疑うように私を見る。


「人の胸しか見ない子の成績を上げる難しさをご両親が理解をしてくれなかったからよ。」


肉汁が滴るハンバーグにフォークを突き刺して、そう答える私が居た。

成績の悪い高校生の男の子…。

いくら勉強を教えても私の胸ばかりを見て勉強に集中をしてくれない。

挙げ句に成績が上がらない理由を…。


『三流大学の学生をやってる女なんかの家庭教師じゃ勉強する意味がない。』


とその子がご両親に言い訳した。

当然、私なりに成績が上がらない理由として本人が勉強に集中しない為だと説明はしたけれど…。


『それを集中させるのが家庭教師の仕事でしょ?』


と我が子可愛いご両親はそう言って私をクビにすると決めてしまう。

お陰でバイトの収入は無くなり、やむを得ずに沙莉奈に助けを求めてた。

沙莉奈とは1年の時からの付き合いだ。

貧乏人の私とは違いお嬢様の沙莉奈は自宅から運転手付きの車で大学に通う学生だ。

但し、成績は後ろから数えた方が早いという学生。

毎年のように単位がぎりぎりの沙莉奈の為にとレポートを手伝ったり、テスト勉強に付き合ったりとしてあげるのが私の役目。


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