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メンタリズムな恋…
第3章 先生、解決しました



「奈々ちゃーん、奈々ちゃんっ!お願いだから居たら返事をしてー。」


辺りに向かって声を上げる。

先生はゆっくりと懐中電灯で照らす地面の状況を確認してる。


「こっちだ…。」


ポシェットのあった場所から少し傾斜の付いた薮へと先生が入って行く。

積もりに積もった落ち葉で足元が滑る。


「奈々ちゃんもここを落ちたらしい。」


先生の呟きに背筋がゾクリとする。


「先生、奈々ちゃんは…。」

「動けなくなった可能性はある。」

「そんな事は言わないでっ!」


怖くて先生の言葉を否定する。

ゆっくりと傾斜を降りて行くと少し開けた場所が見えて来る。


「先生っ!」


暗闇の中に白っぽいものが見えて来る。

懐中電灯を向けると黄色いワンピースを着た奈々ちゃんが落ち葉の中に横たわってる。


「奈々ちゃんっ!」


意識がない。

呼吸の確認をする。

微かだけど息はある。


「俺が連れて行く。亜子は警察に連絡しろ。」


先生が奈々ちゃんを抱えて滑る傾斜を登り出す。

携帯をバッグから取り出し片桐さんに連絡しようとしたけれど人里離れた個人所有の山の中では電波が上手く繋がらない。


「先生っ!繋がらないっ!」

「軽トラまで行けば繋がる。」


信じられないスピードで先生が山の中を動き回る。

あれだけ、のんびりとしてた人がラーメンの為にならこんなにも敏捷な動きになるのかとつまらない驚きが隠せない。


「なんだよ?」

「そんなにラーメンが食べたいですか?」


息を切らしながら先生を追いかける。


「……。」


どうやら怒らせたらしく先生が完全に無言になる。


「奈々ちゃん、大丈夫ですよね。」


くだらない冗談を止めて不安を先生に曝け出す。



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