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メンタリズムな恋…
第4章 先生、油断大敵です



膨れっ面を先生に見せても先生は私に気付きもせずに小さな窓際にある1人用ソファーに踞る。


「腹…、減った…。」


その呟きにため息が出る。

しつこいくらいに聞いた言葉…。


「はいはい、ルームサービスでも取りますから…。」


先生の前にある小さなテーブルにあったホテルのマニュアルを開いて見る。

ルームサービスは21時まで…。

レストランも21時まで…。

次は翌朝6時からモーニングがホテル内のレストランで取れると説明が書いてある。

その文字に固まった。


「腹…、減った。」


先生の声が不機嫌になる。

慌ててベッドサイドにある電話を引っ掴みフロントに掛けてみる。


「すみません、ルームサービス以外の食事って出来ませんか?」

『ルームサービス以外でしたら各階にある自動販売機コーナーをご利用して頂くかコンビニに行って貰うしかありません。』

「コンビニの場所は?」

『このホテルから車で5分ほど高速のインターに向かって走って貰えれば見えて来ます。』


また車の移動かい!?


「他のレストランは?」

『高速の入り口前にあるトラックターミナルくらいしか…。』


田舎街だからこの時間にやってるお店はないよとフロントマンのお兄さんが教えてくれる。

ガックリと項垂れる。


「自動販売機を見て来ます。」


財布を握って部屋を出た。

日付けが変わる深夜に私は何をやってるの?

やっぱり理不尽なバイトだ。

労働基準法に記された労働時間を大幅に超えてる。

河合教授の馬鹿ぁ!

さっきまでの感謝は吹っ飛びブツブツと文句の言葉を呪文のように口から吐き出してしまう。


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