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メンタリズムな恋…
第4章 先生、油断大敵です
「もう知りませんっ!」
先生に背を向けて壁際になる奥のベッドに潜り込む。
結局は話をはぐらかされたとか考える。
疲れてた。
それ以上を考える前に暖かなベッドの睡魔が私を夢に向かわせる為に襲って来る。
気付けば夢の中だった。
首を締められたような息苦しさを感じる。
『ここから出たらお前を殺す。何処に逃げようと殺してやる。いいか?言ってみろ。』
私の首を締める男が私に暗示を掛けるように何度も同じ言葉を繰り返す。
息が出来ず意識が薄れて男の顔がボヤけてる。
「行かない。何処にも行かない。」
何度も男にそう言って懇願する。
男の手がゆっくりと私の首から離れる。
やっと息が出来ると大きく深呼吸する。
男の背中が見える。
その男がゆっくりと私の方へと振り返る。
その顔は…。
「きゃあぁぁぁぁっ!」
ありったけの声で叫んでた。
「亜子っ!」
先生の声がする。
「いやぁぁぁぁぁ…。」
ベッドから飛び起きようとするのに私の両手首がベッドに押さえ付けられて全く身動きが取れない。
「亜子っ!」
もう一度、先生の声がする。
恐る恐ると目を開ける。
だって、あの男の顔は…。
間違いなく先生の顔だった。
「やあっ!離してっ!やだぁっ!」
先生に押さえ付けられた手首を振り解く為にジタバタと足掻く。
「亜子っ!大丈夫…、もう大丈夫だから…。」
私の上で馬乗りになる先生が叫ぶ。
怯えた目をしてる。
それは本気で私を心配する目だ。
「せ…、んせい…。」
段々と夢から現実へと感覚が戻って来る。
少しづつ先生が私の手首を握る手の力を抜く。