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メンタリズムな恋…
第1章 怪しいバイトの始まり



「大体さ…、そのメンソーレ?って普通の一般企業に就職とか出来るの?」


沙莉奈がまた顔を歪める。


「メンタリストだよ。」

「そんな職業は聞いた事ない。」

「メンタリストは肩書きだもの。」

「資格とかあるの?」

「ない…。」

「亜子…、成績の悪い私が言うのもなんだけど…、もっと現実的に考えないと社会に出た時にきっと困る事になると思うよ。」


何故か沙莉奈にお説教を受ける。

沙莉奈が言ってる事は事実だ。

メンタリストはあくまでも肩書きであり職業として生業にするには難しい部分がある。

日本でメンタリストを名乗る人のほとんどがマジックを見せる感覚でメンタリズムをショーとしてひけらかしタレントのような活動をする。

メンタリズムとは人を心理的に操る行為であり悪用する事は許されないが、メンタリストの思惑通りの数字を選ばせたりして誘導した上で数字を当てて相手を驚かせる高等技術でもある。

それが出来る数少ないメンタリストという教授がこの大学の河合教授だった。

子供の頃にアメリカのメンタリストがFBIに協力して行方不明の女の子を探し当てたというドキュメント番組を観た。

以来、私の中で将来はメンタリストになりたいという欲望が芽生え、本物のメンタリストが教授として存在するこの大学へと進学した。

実際に河合教授は非公式ながら警察にも何度か協力をしてる立場の人。

犯行を黙秘する犯人と河合教授が面会した翌日から犯人は素直に自分の犯行を認めたりとメンタリズムを利用した協力を河合教授は実戦して来た人だ。

タレントのような活動でせっかくのメンタリズム能力を使うのでなく、私はそうやって社会の中で実戦出来るメンタリズムを学びたい。


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