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メンタリズムな恋…
第1章 怪しいバイトの始まり
就職活動をしない私を心配する沙莉奈は自分のお父さんの会社に来ないかと誘ってはくれたけど、私は心理学の学位を取得する未来を選ぶ。
「教授が新しいバイトを紹介してくれるらしいし、そんなに心配する事ないよ。」
心配してくれる沙莉奈を安心させる話をする。
今朝、教授の手伝いをした時に一週間という短期のアルバイトがあると話だけは貰ってる。
あくまでもランチ代を稼ぐだけのバイトだから短期でも構わない私は喜んでそのバイトを引き受ける。
「どんなバイト?」
疑いの目で沙莉奈が私を見る。
「内容はまだ聞いてない。」
「大丈夫なの?」
「教授の紹介だもん。変なバイトじゃないよ。」
流石に教授だから怪しげなバイトを紹介するはずがないと沙莉奈も納得をしてくれる。
「とにかく、何かあれば必ず連絡してね。」
毎日のように携帯にメッセージをくれる沙莉奈が最後まで念を押す。
そんな沙莉奈とカフェの前で別れて教授の待つ研究室に向かう。
心理学の研究室。
その部屋に存在する物はほとんどが文献など書物の資料ばかりで棚から溢れた本に囲まれた部屋で教授がパソコンを睨んでる。
「教授?お待たせしました。」
軽く扉をノックして研究室の中へと滑り込む。
白髪混じりの初老は私を見た瞬間に顔を緩めて微笑みを向けて下さる。
「三好君、午後は大丈夫?」
まるでデートのお誘いだと思う。
若い頃に奥様を亡くした教授は私くらいの娘が欲しかったと口癖のように言う人だ。
奥様を亡くしてから一人暮らしを続ける教授の身の回りのお世話をするのも助手として私には大事な仕事だと考える。