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メンタリズムな恋…
第5章 先生、何処に行ったの?



考えてみれば昨日のランチを最後にしてろくなものを食べてない。

沙莉奈が食べさせてくれたランチ…。

あれがなければ私はもっとひもじい思いをしたかもしれないと心の底から沙莉奈に感謝する。

そうこうするうちに私達が居るテーブルにはラーメンが置かれる。


これが先生の食べたかったラーメンですか?


そう質問したくなるような地味なラーメンが私の前に鎮座する。

よくある塩ラーメン…。

いや、よくはないとも思う。

麺の上に乗る具材はよくわからない葉っぱだけというとんでもないラーメンだ。

レンゲで試しにスープを啜れば、それは間違いなく鶏ガラスープをベースにしたかなりシンプルな味のラーメンだと言える。

いや、シンプルな味でもない。

微妙なほろ苦さが後味に残る。

チャーシューもナルトもメンマもない葉っぱラーメンの何処が良いのか理解が出来ない。

味もそんなに良くはない。

夕べのカップ蕎麦よりかは幾分かマシという程度のラーメンをわざわざ横浜まで食べに来た理由を知りたいとか考える。

相変わらずのボロ雑巾男は黙ったまま麺を口に押し込んで食べてる。


「美味しいですか?」


ラーメンの感想を聞いてみる。


「ああ…。」


曖昧な返事だけが帰って来る。

本当は美味しくないのに自分が連れて来たからって痩せ我慢とかしてる?

先生を睨み付けながら黙々とラーメンを食べる。

とにかくお腹が空いてた事とこの先はこのボロ雑巾とまともな食事が出来るのかが不安だと感じる以上は美味しいと感じないラーメンであっても食べるしかないと自分に言い聞かせる。

黙々と食べる2人だから10分もすればラーメンを食べ終わる。



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