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メンタリズムな恋…
第5章 先生、何処に行ったの?
確かに今の私は身体がホカホカしてて動きやすく気持ちいいと思う。
「そういう、こだわりがあるなら言って下さいよ。」
「こだわりとかねえよ…。」
欠伸をして眠そうな声がする。
薬膳の効果なのか私も油断したら寝てしまいそうだと運転に集中する。
高速で東京に入り、先生のホテルに行く前に自分の学生寮へと車を向ける。
先生は踞ったまま何も言わない。
もしかしたら寝てるかもしれない。
「先生…。」
声を掛ける。
「……。」
返事がない。
黙って車を学生寮の前に停めて車に先生を残し自分の部屋に駆け込んだ。
先生と行動を共にするなら着替えが要る。
リュックに自分の下着や着替えを詰めてから昨日から着てる服を新しい服に着替えてしまう。
河合教授は一週間のバイトと言ってた。
一週間だけは自分の部屋に帰れないと窓などの戸締りをして寮を出る。
「嘘ーっ!」
そう叫ぶ。
先生の車がない。
急いで先生の携帯を鳴らせば…。
~♪♪
私のバッグの中で先生の携帯が着信のメロディーを奏でる。
「あのボロ雑巾っ!」
信じられない。
着替えを詰めたリュックを背負い駅に向かって歩き出す。
まさか、こんな場所で先生を見失うとか…。
「あいつには首輪を付けないとダメなわけ!?」
犬の散歩をする中年女性の姿を見て発狂する。
やっぱり、このバイトって理不尽よ。
これでは助手というよりも見張りの仕事。
24時間、ボロ雑巾を見張る仕事とか有り得ない。
怒りで頭がカッカッとしたまま先生のホテルに電車で移動をすれば
「ご一緒じゃなかったのですか?」
と先生の部屋の前に立つ見張りの人から最悪の言葉を投げつけられる。