この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
メンタリズムな恋…
第5章 先生、何処に行ったの?
「あのボロ雑巾は帰って来てないの!?」
まさに失踪事件の始まりだと目眩がする。
「てっきりご一緒だとばかり…。」
ドアマンの見張りから責任はお前にあると重ねて押し付けられる。
河合教授に連絡…。
いや、またしてもバイトに失敗しましたなんて報告はとてもじゃないが出来ない。
ドアマン見張りは青ざめる私がどうするのかと言わんばかりにじっと見る。
とりあえず今、幸いなのはペントハウスのキーも私のバッグにある事だ。
「荷物を置いて来ます。」
ドアマンの視線から逃げ出したくてペントハウスの中へと飛び込んだ。
広いペントハウス…。
リビングとキッチン以外にトイレ付きバスルームが2つにゲストルームが3つ…。
その全てを探し回るがベッドメイキングが綺麗に施されたその部屋は夕べから無人だと私に物語る。
「どうやって雑巾を探すのよ…。」
ゴミ山でたった一枚のボロ雑巾を探す気分を味わう。
今こそ、メンタリストの出番である。
「横浜のラーメン…。」
はさっき食べた。
「アメリカ…。」
には流石に帰ってないよね?
考えれば考えるほど私は先生の事を何も知らないと思い知る。
「先生の馬鹿ぁ…。」
泣きたくなる。
~♪♪
また私のバッグの中で携帯が鳴る。
2つの携帯を取り出せば鳴ってるのは先生の携帯。
「もしもし…。」
『ああ、三好さん?そろそろ警視庁の方に来て貰えないかと…。』
電話の主は片桐さん。
時刻はもう昼過ぎ…。
「片桐さん…。」
『はい?』
「片桐さーん…。」
段々と声が上擦って来る。
『もしもしっ!?三好さんっ!?』
「片…ぎ…りさぁぁぁん…。」
『三好さん…、落ち着いて…。』
「先…せいがぁ…。」
涙を流し鼻水を垂らしながら訴える。