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メンタリズムな恋…
第6章 先生、繋がってます
後は奈々ちゃんを発見した経緯を話し、片桐さんに連絡した流れを説明する。
「わかりました。この内容で問題がなければ三好さんのサインを下さい。」
片桐さんがパソコンにまとめて書いた話の流れを確認してプリントしたものに私がサインすれば事情聴取は終わりとなる。
「お疲れ様でした。」
片桐さんが笑顔に変わる。
「先生は終わったかな?」
「さあ、見に行きますか?」
片桐さんと廊下に出れば隣の会議室はまだ使用中の札が出たままだ。
「まだみたいですね。」
片桐さんが申し訳なさげに言う。
「行方不明じゃないからいいですよ。」
居場所がわかってるから心配はしない。
「あの逃走には困りますね。」
そんな話を片桐さんとする。
「片桐さんも先生に逃走されたの?」
「彼が日本に来た初日に…、僕が大和さんの担当に決まったので河合教授と挨拶の為にホテルの方へ向かえば彼は既に逃走中の身でした。」
そして先生が横浜の高速道路でスピード違反で捕まったと報告を受けた片桐さんはホテルのペントハウスに警護を付ける。
「どうも、その事で僕は大和さんに嫌われたみたいです。」
悲しそうな片桐さんに同情する。
「先生が悪いんだよ。片桐さんは悪くない。」
「そう言って貰えると助かります。」
そうだよ。
片桐さんは仕事なんだもん。
ラーメンが食べたいとか肉まんが食べたいとかくだらない事で逃走する先生が悪いんだよ。
私は自分にそう言い聞かせる。
ふと廊下の壁にあるポスターに目が止まる。
「ねえ、片桐さん。これ持ってます?」
そのポスターを指差して聞いてみる。