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メンタリズムな恋…
第6章 先生、繋がってます



片桐さんがそのポスターを見てから不思議そうに私を見る。


「そりゃ、持ってますよ。」

「それって借りたりは出来ませんよね?」

「あー、それは無理ですね。これにはナンバーがあって所有する警察官が登録されてますから…。」

「あれば便利だと思ったのに…。」

「大和さんの逃亡を防ぐ為に?」


くすくすと片桐さんが笑う。

なんかおかしな事を言ったのかな?

ちょっと恥ずかしくなっちゃう。


「少しだけ待ってて下さい。」


片桐さんが廊下から消える。

私は小学生が書いたと思われるキャンペーンポスターを睨み付ける。

直に隣の会議室の扉が開いた。


「ご苦労様でした。」


片桐さんと同じようにスーツを着た警察官が深々と頭を下げれば扉から偉そうにボロ雑巾が出て来る。


「先生。」


また逃げられては困ると先生の袖を掴む。


「帰るぞ…。」


かなり不機嫌な声。


「事情聴取は終わったの?」

「まあな…。」


曖昧な返事…。

片桐さんとは違って先生とのぶっきらぼうな会話に悲しくなる。


「大和さんも終わりましたか?」


片桐さんも廊下に戻って来た。

先生は片桐さんを無視して廊下を出口に向かって歩き出す。

本当に片桐さんを嫌ってる。

なんか、ため息が出る。


「三好さん、これ…。」


片桐さんが小さな紙袋を私に差し出す。

中身はポスターに書いてあったもの…。


「片桐さん?」

「それは玩具です。大和さんの逃亡用に役に立つかはわかりませんが…。」

「使わせて頂きます。」


片桐さんと話すうちに先生がどんどんと離れてく。


「やだっ!先生ってば…、待ってよ。」


片桐さんに頭を下げて先生を追いかける。


「片桐さんに挨拶くらいしてあげて下さいよ。」

「俺が?」


とぼけた答えが返って来る。


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