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メンタリズムな恋…
第6章 先生、繋がってます
真っ直ぐで綺麗な瞳…。
吸い込まれそうだとか思っちゃう。
「ほら、さっさと風呂に行って来い。」
くしゃくしゃと私の頭を撫でて先生が言う。
「……、今夜はもう逃走しない?」
私がお風呂に入ってる間に居なくなりましたじゃ話にならない。
「多分…。」
曖昧な答えが返って来る。
ならば…。
今こそあの秘密兵器の出番である。
片桐さんから預かった紙袋から秘密兵器を取り出して私は先生の片腕にそれをガチャリと嵌め込んだ。
「!?」
思いっ切り嫌な顔をした先生が私を見る。
ふふんとほくそ笑んで先生を見返す。
先生に掛けたのは手錠。
これを何処かに繋げばこのボロ雑巾に逃亡される恐れがなくなる。
「何処に繋ごうかなぁ…。」
辺りを見渡した瞬間…。
ガチャリと私の手首で音が鳴る。
「!?!?!?」
今度は私がパニックになる。
「ちょっと、やだっ!外して…。」
「俺を繋いどいて自分はやだとか言うか?」
「だって、先生が逃亡するからじゃん。」
「これで逃げる心配はないだろ?但し、トイレも風呂も亜子と一緒に入る事になるし、当然ベッドの中でも繋がったままだけどな。」
手首に繋がれた手錠を先生が引っ張れば私の身体がフラリと宙に浮く。
「やんっ…。」
壁際に背中が押し付けられる。
先生が私に覆い被さるようにして壁に手を付く。
「怖いの?」
私を見下ろしてくすくすと先生が笑う。
前髪の隙間から見える流し目に胸の奥が熱くなる。
「怖いなら逃げていいよ…。」
先生はいつものように呟く。
なのに手錠で繋がれた私の手に先生の綺麗な手が触れて来る。
指と指の間に先生の指が入って来て私の手を完全に包み込んでしっかりと握ってる。