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メンタリズムな恋…
第1章 怪しいバイトの始まり



男の人とホテル…!?

これは初体験である。


「だ…、大丈夫っすよ。ハッハッハッ…。」


私の怪しげな乾いた笑いに教授がますます不安な表情を浮かべる。


「えーっと…、そこで君を待ってる人が居る。」


ゴホンと1度咳払いをした教授がそう言う。


「待ってる人?」

「そう、その人は君もきっと知ってる人だよ。」

「私が知ってる人?」

「彼は大和 幸之助(こうのすけ)君…、FBIに所属する本物のメンタリストだ。三好君も聞いた事くらいはあるよね?」


聞いた事あるも何も…。


「あの!?大和 幸之助さんですか!?」


と叫びながらブレーキを乱暴に踏めば教授がシートベルトに縛られたように苦しげな表情をする。


「三好…君…。」

「すみません、運転に集中します。」


安全運転第一が教授の口癖だ。

奥様は事故で亡くしてる。

だから教授は運転にはうるさい人…。

安全を確保したスピードで教授との話を続ける。


「大和さんって、あの大和さんですよね?何故、日本に居るのですか?」

「研修をする為に来日してる。警視庁の依頼で試験的に彼がアメリカから呼ばれた。メンタリストという存在が本当に事件の捜査に役に立つのかを日本の警察としても色々と模索中なのだよ。」


それが事実なら嬉しい話だと思う。

近い将来、メンタリストが社会で必要とされる可能性が見えて来る。


「あの大和さんが…。」


安全運転を守りたい気持ちはあるが、あの大和 幸之助に今から会えると聞けば私の気持ちは逸りアクセルを少しばかり余分に踏んでしまう。

大和 幸之助…。

高校を出てアメリカの大学で心理学の学位を取得した日本人。

数年前、FBIに入った時は日本のテレビでも取り上げられた凄い人。

大学は主席卒業とか一流のメンタリストだと海の向こうの人なのに騒がれた。

しかも、あの容姿が女の子には堪らない。

少し釣り上がる目だけども、とても綺麗な流し目をする王子様のような風貌の彼のインタビュー映像には釘付けにされた女性はかなり多い。


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