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メンタリズムな恋…
第7章 先生、逃げられないよ
「せ…。」
これ以上はきっと声を掛けても無駄だと感じる。
私の魔法の鳥は私に背を向けて羽ばたいてく。
私には手に入らない魔法の鳥…。
私の中でそう自己完結してリビングに一番近いゲストルームに向かう。
先生はベッドを使わない。
ずっと、あのソファーで孤独を見せつけるように踞ったままなんだ。
孤独なまま何かと戦ってる。
それは先生にはとても辛い戦いなのだろう。
未熟な今の私にわかるのはその程度…。
高級ホテルのベッドに入ればフカフカで全身が優しく包み込まれる。
苦しかったブラジャーを外して眠りにつく為だけにベッドへ全身を委ねる。
程よい温もり…。
先生が私に触れた時は真夏の日差しを浴びたように全身が熱かった。
今は春の木洩れ日の中に居る温もりを感じる。
私にこんな穏やかな温もりをくれる人がいつかは現れるのだろうか?
夕べの悪夢とは違い気持ちのいい夢を見る。
どこか懐かしく…。
暖かな夢…。
この感じを忘れてた。
その夢に手を伸ばす。
夢は私の夢じゃないみたいに私から離れてく。
もっと見せて…。
その暖かな幸せを感じる世界の中に居たいの…。
怖いのはもう嫌だから…。
チュッ…。
何かが私を抱き締めて私を夢から現実へと引き戻す。
チュッ…。
再び私のうなじから、そんな音がするからゆっくりと目を開ける。
「亜子…。」
先生の声が背後からする。
ふにふにと何かが私の胸を揉んでる。
「先生っ!?」
ベッドの中で先生を突き飛ばす。
「何やってんですか!?」
掛け布団で胸を隠して先生に叫ぶ。
「ブラジャーがない方が柔らかい…。」
先生は自分の手の平をじっと見る。