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メンタリズムな恋…
第7章 先生、逃げられないよ



冷静でなければ人の些細な感情の動きを見逃す。

私はメンタリストの卵…。

大和 幸之助の最初で最後の助手。

才能はなくとも全てをこの人から学ぶ。

余計な話はしない。

信頼だけの繋がりを感じる。

先生が居れば私は強くなれると確信してた。

実家が見えて来る。

まだ警察の車が何台か家の前に停まってる。

先生と実家の中に入れば玄関に出て来たお母さんが有り得ない顔をする。

頬を赤らめて娘の私ではなく先生の方を何度もチラ見するお母さん…。


「娘の心配をしてたんじゃないの?」


玄関先でお母さんに文句を言う羽目になる。


「だって…、嘘っ!亜子の彼氏!?」

「違うってば…。」

「んじゃ、誰?」

「アメリカのFBI捜査官の大和 幸之助さん。今は日本に来てて、先生の日本滞在中の助手をするのが私のバイトなの。」

「アメリカから…、それはそれは遠路はるばる…、ようこそ我が家へ…。」


別に先生はお母さんの為に日本に来た訳じゃない。

先生が、この辺じゃ見かけないイケメンという事で完全にお母さんが舞い上がってる。


「お父さんは?」

「亜子が来るって言うから会社を休んでる。ほら、早くお父さんに亜子の彼氏を紹介しないとお父さんが拗ねちゃうわよ。」

「だから彼氏じゃないからね!?」


家に上がりリビングに向かえばお父さんが心配そうに私を見る。


「ただいま…。」


そう言えばお父さんが私に手を差し出す。

その手の中へと突き進む。

普段はハグとか照れ臭くてしないタイプのお父さんが久しぶりに私を抱き締める。


「おかえり、無事か?」


本当に心配してくれてたんだと思う。


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