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第1章 1　淡白な夫の特効薬

　そこであたしは一念発起した。

　夫がその気にならないのは妻であるあたしが怠慢なのだと、あたしの努力

が足りない所為だと考え方を改めた。
　
　まず最初に実行したのがランジェリー。

　夫の目に着く洗濯ものから始まってクローゼットの引き出しの下着まで、

夫の目に着く下着は全て買い換えた。

　セクシーな黒、赤、ブルー、ピンク。素材もつるつるして光沢のあるサテ

ンやナイロン、デザインもレースをふんだんに使ったものや、シースルーの

素材が透けて素肌が見える物、ＴバックやＧストリングの際どいものや全身

網タイツまで、およそ考えられる品をほとんど取りそろえた。

　当然、下着だけではなく服もデザインや見た目を重点に考える。

　特に家で寝る際に着るパジャマや挑発するために着るベビードールやネグ

リジェその他の衣装はセクシーさを重点に考えた。

　挑発して興奮させるためのベビードールは効果てきめんで、あたしが欲し

ていると言う事をちゃんと理解してそれなりの行動を取ってくれるようにな

った。

　何度かスケスケのベビードールや全身網タイツで迫った後、夫からたまに

はキャバ嬢みたいな派手な服装で迫ってくるのも良いのだがという注文が入

る。

　それならばと、あたしは化粧を念入りに濃くしてアイメイクを思いっきり

盛った。

　夫はまるで別人に見え、本当に新宿のピンクの店に呑みに行ったようだと

喜んだ。その日はピンキャバのマリリンで通し、エッチな雰囲気の淫らな