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背徳の嗜好
第12章 女の悦び

 「フフッ、ヤダァ…二人とも、そんなマジな感じにならないで下さいよ…
冗談に決まってるじゃないですか…私だって、そこまで意地悪な女じゃないですって…」

 「…じょ、冗談って…」

本当に初めから冗談のつもりだったのか…
奈央がふざけた様に、クスリと妖しい笑みを零している…

いくら冗談のつもりだったとはいえ、流石にタチが悪過ぎるだろう…

我に返った様に、歩子と直人は顔を見合わせ、お互い照れくさそうに俯いた…

 「そうやって、歩子さんにオチンポを挿れて欲しくなったって、言われちゃったら…
私にはどうすることもできませんし…勿論、一番イイ処は直人さんにお任せしますんで、
後はもうお二人の気が済むまで、セックスして貰って構いませんから…」

同じ女として、奈央も本当は歩子の早くヤリたい気持ちが痛い程よく解っているのである…

コレ以上邪魔勃てせず、すんなり身を引いてくれたのかと思いきや…

 「なら…ご主人の方は、まだ当分使いモノにならないでしょうし…
歩子さんが直人さんと愉しんでる間、私の方は代わりに…
美紀さんと愉しみたいって思ってたんですけど…相手になって貰えます?」

このまま只で、終わりはしない…

私を射精させ、不能にしたのも、奈央は最初から美紀のコトを狙っていたからだろう…

 「アラ…奈央さんったら…それだけ元気だと…まだ全然イキ足りない様ね…
イイわよ…コッチにいらっしゃい…私もご主人がまた再起して出来るようになるまでの間、
黙って見ているのも癪だし、相手になってあげるわ…」

美紀も動じる素振りは一切ない…

コレはレズに関しても、お手の物だというのか…
望む処だとでも言わんばかりに、奈央の誘いを快諾する…

 「…み、美紀さん…」

歩子の時とはタチ場が違うのか…奈央がネコ撫で声で美紀の元へと擦り寄っていった…

 「フフッ…奈央さん、覚悟するのね…久しぶりにタップリと可愛がって、
腰が勃たなくなるまで、イカせてあげるわ…」

美紀の好戦的な態度に、奈央の表情がSからМへと瞬く間に変貌を遂げていく…

こうして、それぞれのパートナーが入れ替わり、
役勃たずの私だけが独り寂しく、傍観者として取り残された…

 「アンッ…」

第二ラウンド開始のゴングの様に、女の啼き声が鳴り響く…

早くも美紀と奈央が抱擁し、熱いディープキスが交わされていた…
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