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背徳の嗜好
第16章 全てを曝け出して…
気持ちを落ち着け、電話を耳にすると…
『もしもし…Nさんの携帯で宜しいですか?』
通話口から聞こえてきた淫靡な若いさえずりに、
早くも私の心臓がバクバクと高鳴っている…
「ハ、ハイ…そうですけど…」
『あの…すいません、奈央ですけど…』
「え、えぇ…奈央さん…一体、どうしたんですか?」
「…」
歩子も話の内容が気になるに違いない…
私の隣りで物音を勃てない様、静かに聞き耳を勃てていた…
『こんな時間に電話しちゃってすいません…もしかして…
今、ちょうど歩子さんとお愉しみの真最中だったんじゃないですか?』
「エッ!…イ、イヤッ…そ、それはその…」
『アラッ…ご主人ったら、そんな判り易い反応したんじゃ、バレバレじゃないですか…』
私の慌てっ振りをクスッと揶揄し、奈央が戯けて状況を推察する…
『まぁ…あの勃起薬を飲んだ状態で、今までずっと出さずに保てる男性なんて
まずいないですし…ご主人でしたら…とりあえず、
挿入する前に一発射精しちゃうことになって…
一度、仕切り直しててもおかしくない時間ですもんね…』
「…」
奈央の名探偵並みの名推理に、私の顔は真っ赤になっていた…
『フフッ…そうやって黙らなくったって、
お二人が盛り上がっているのは、見なくても手に取る様に解っちゃいますよ…
今、コッチでも美紀さんが一発だけじゃ気が済まないって話で、
直人さんと攻守交代して、二回戦に突入する処なんですから…』
(…に、二回戦って…)
既にアチラの夫婦では、一度セックスが行われ、直人も一発射精しているのだろう…
耳を澄ませば…電話口の奈央の後ろから、美紀と直人の込み入った会話の遣り取りを
盗み聞きすることが出来る…
『ほら…もっとコッチにお尻を突き出して、
ちゃんとオネダリしてくれなきゃ、挿れてあげないわよ…』
まるで、男が指図する様に、美紀がドSの声色で嗜めていた…
『…そ、そんな…お、お願いだから、焦らさずに…は、早く…』
一方、直人が女のような切ない声を漏らし、美紀の施しを求めている…
(…ま、まさか…二回戦っていうのは…み、美紀さんの方が…)
脳裏に、四つん這いとなった直人が、美紀の熱り勃った正宗で
バックから犯されようとする絵が思い浮かぶと…
とても他人事とは思えず、気が気でいられなかった…