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背徳の嗜好
第9章 妻たちの性技

 お互いの唇がピッタリと密着し…

 ―…チュッ…チュ~ウッ…ピチャッ…クチュッ…―

…と、嫌でも耳に入ってくるネバついたリップ音…

美紀がだらしなく口を半開きにし、舌を差し出したかと思うと…
閉ざされている主人の唇を抉じ開けようとしているのか、
チロチロと擽るように、ゆっくりと這いずり回っている…

 「…ねぇ、舌を出して…」

男を誘う美紀の甘い囁き…

貪るような美紀の積極的なキスを前にし、あっさりと陥落してしまったのか、
最初は躊躇っていた主人も次第に口を拡げ、舌を絡ませ始めていた…

 「…もっと…」

美紀の口勢は止まらず、舌がヌゥーッと口内へ侵入してくると…
ソレと同時にトロリとした唾液が一気に流れ込んでくる…

 「ウウッ…」

…と、何故だか、主人が嫌そうに顔を顰めた…

美紀はすぐに、察したのだろう…

 「…もしかして、自分のモノを味わうのは、初めてでしたか?」

 「…」

甘い中にも、ほろ苦さがあり、薄っすらとイカ臭い残り香がするのは、
気のせいなんかではない…

 「フフッ…ダメですよ…ご自分が出したモノなんですから、嫌がらずに、
一度はきちんと味わってみてくれないと…
女性はこんなのとは、比べ物にならないくらい濃くてドロドロしたモノを、
口の中一杯に出されて、ソレを味わわされているんですから…」

女性というのは、本当にこんな気色の悪くて、クソ不味いモノを口で受け止め、
その上、美味しそうにゴックンしてくれているのだろうか?

初めてこうして、自分の精液を味わわされてみると…
改めて、美紀がしてくれたことへの慈しみの念が込み上げ、胸が打たれる…

その想いが身体を突き動かしたのか…

 「…そ、そんな…」

歩子はその光景を見ていられず、目を覆いたくなった…

主人が美紀に負けじと、自ら唇に吸い付き、口の中に残った自分の汚物を
引き取ろうと、舌を絡ませ、唾液を交換し合っている…

濃厚な二人のディープキスを魅せられ、歩子は取り乱しそうになっていた…

 「…やっぱり、こんなのを魅せられてしまうと、
コッチも嫉妬でおかしくなってきちゃいますよね…」

隣で一緒に魅せられている彼も同じく、かなりツラいに違いない…

嫉妬に狂ったような目で、モジモジと身体をくねらせながら、
美紀たちのキスを憑りつかれたようにジッと見詰めていた…
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