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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第5章 禁域
N駅までの沿線風景は殆どがひろがる田んぼとまばらに建つ家々だ。一面が鮮やかなエメラルドグリーンに染まった風景は眼に滲みるようで、いかにも初夏らしい。
ふと心優の眼についた風景があった。周囲を田んぼに囲まれた中、ポツンと草むらがあって、更にその中央に名もない季節の花がひと群れくらい、ひっそりと身を寄せるように咲いている。
普段は誰も眼に止めることはないが、今日の心優のようにふと誰か行きずりの人が眼を止めて、そのささやかな存在に気づいてくれる。野原といえなくもないけれど、けして、たいそうなものではなく、せいぜいが数十メートル四方の小さな空間、その小さな小さな秘密の花園を見ていると、自分の心の奥底を覗いているかのような錯覚に囚われた。
人は誰でも秘密の庭を心の奥に持っている。ならば、心優がそこに隠している想いは何なのだろう。
ふと心優の眼についた風景があった。周囲を田んぼに囲まれた中、ポツンと草むらがあって、更にその中央に名もない季節の花がひと群れくらい、ひっそりと身を寄せるように咲いている。
普段は誰も眼に止めることはないが、今日の心優のようにふと誰か行きずりの人が眼を止めて、そのささやかな存在に気づいてくれる。野原といえなくもないけれど、けして、たいそうなものではなく、せいぜいが数十メートル四方の小さな空間、その小さな小さな秘密の花園を見ていると、自分の心の奥底を覗いているかのような錯覚に囚われた。
人は誰でも秘密の庭を心の奥に持っている。ならば、心優がそこに隠している想いは何なのだろう。